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「思い出したか?あの気の強いやつはどこ行ったんだか。こんなメガネちゃんになっちまって。いたわしい限りだ。」
「この前は偶然居合わせたの?それとも…」
「そんなこたあ、どうでもいいだろ。俺にはお前しか見えてねえ。だから、お前も俺だけを見ろ。」
その言葉に、私は顔を真っ赤にして、夏音から目をはなせなくなっていた。
それを肯定だととったのか、夏音は満足気な顔をして、私のおでこにキスをした。
「よくできました」
夏音はそう言ってふうと優しく笑んだ。
いちずなのか強引なのか、この男の子を私はどうしようもなく好きになってしまった。
きっと、出会った時にはもうすでに恋が始まっていたのでしょう。
好いてもいないひとを助けようなんて人間はそうはいません。
恋する心とは分からないものです。
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