第1章

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 ユウイチは一仕事終えて、ガンニョム課の係長室に戻る。 「田中、戻ったぞ~」 「戻ったぞ~じゃありませんよ、係長。報告書って初めて書くから、よく分からなくて」  ユウイチはデスクに置いてある、ウイスキーのボトルを手に取る。 「五感で感じた事を書けばいい」 「係長が酒臭かったと」 「それは書くな」  ユウイチはウイスキーを一口飲む。 「ブリッジからですが、当面の間はデブリの心配はないそうです」 「明日は田中のトレーニングだな」 「僕も対宇宙砲火レーザーガンを撃っていいんですか?」 「ダミーデブリでな。そうと決まれば、報告書もさっさと仕上げろ」 「はい! 缶詰めになります!」  田中は係長室から出ていった。  ユウイチは残り少ないウイスキーを飲み干す。引き出しから新しいボトルを取り上げ、キャップを開ける。
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