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「キャー! デブスよ!」
「デブス!? なんですか、それは!?」
「デブリだろ! 危機管理センターより指令! 対宇宙砲火レーザーガンの使用を許可する。“ガンニョム課の奴”を砲座に連れていけ! 船に当てるなよ」
ブリッジで混乱が起きている中、管理官は的確な指示を出してる。
「距離50! 直撃コースです!」
ここは日本人専用宇宙ステーション。かなり広くて他の星との地球を繋ぐ中継地点。どちらかというと小型宇宙コロニーだ。通称スクエア。
デブリは危険。奴、ユウイチの出番だ。射撃の名手だが、働くのが嫌いで危機管理センターがピンチの時にしか重い腰を上げない。いつもウイスキーを飲んでる28歳の呑兵衛。
――「ええー!? デブリ? 火星旅行はどうなるの?」
『危険なんで中止となりま~す。ご理解してよね』
ここ、発着ゲートでもトラブルが起きていた。彼女の名前はエイコ、今日は16歳の誕生日で火星旅行の出発日なのにツイてない。ワクワクしてたのか、カメラを持っている。
相手は民間会社が造った、汎用猫型決戦AIロボットの【ドピュ二郎】。アーティフィシャル・インテリジェンスの欠陥品。
「デブリくらいなによ! 叔父のユウイチを呼んで! 宇宙ステーションの係長よ!」
エイコはおかんむりだ。地球で有名なアイドルは専用ゲートを通り、ラウンジへ入った。
『ユウイチってガンニョム課の窓際係長?』
「窓際って何よ~」
『ソチよ、ソチはソッチじゃない』
「バカにしてるの!? この2頭身!」
――ユウイチはウイスキーのボトルを片手に砲座に入る。ユウイチはボトルのキャップを閉めた。砲座は重力発生装置の影響を受けない。つまり無重力だ。
「360度モニター、オン。……見~付けた」
「係長、目視出来るんですか?」
平社員の田中だ。2ヶ月前に宇宙ステーションに配属された新米。
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