第1章

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 ユウイチがガンニョム課の係長室に戻ると、エイコが居た。 「お嬢ちゃん、ここは関係者以外立ち入り禁止だよ~」 「ユウイチ叔父さん、忘れちゃった? エイコよ」 「エイコ? ああ、姉さんの娘か。大きくなったな~」 「今日は私の16歳の誕生日なの。それなのに、火星旅行がキャンセルされて。お金持ちのアイドルはチャーター便で行けちゃうし」  エイコは涙ぐむ。  ドピュ二郎もガンニョム課の係長室に入ってきた。 『大変だよ、ユウイチ』 「どうした?」 『殺人事件!』 「何!? またガンニョム課に持ってきたのか? 厄介だな」 『手が空いてるのはここだけだよ』 「ぐすっ……叔父さんは殺人事件まで担当してるの?」 「まあ、泣くな。……で、ドピュ二郎、誰が殺されたんだ?」 『専用機ラウンジでアイドルのコットン・ミサキが死体で見付かったよ』 「嘘!? さっきのアイドル……」 『ユウイチ、この子は?』 「姪のエイコだ」 「このポンコツ! さっき会ったばかりじゃない」 『ポンコツとはなんだ! 僕は1ヨタバイトの超高性能ロボットだぞ!』 「すまんな、エイコ。ドピュ二郎は的外れでカンシャク持ちなんだ」 「何よそれ。AIロボットでしょ?」 「それより、鑑識は? まさか、また俺にやらせるつもりか?」 『管理官は暇なガンニョム課のユウイチをご指名だよ。AIポリスより正確だって』  ユウイチはウイスキーを一口飲む。 「仕方ない、行くか」 「叔父さん、待って。私も行く」 「好きにしろ」
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