0人が本棚に入れています
本棚に追加
ユウイチがガンニョム課の係長室に戻ると、エイコが居た。
「お嬢ちゃん、ここは関係者以外立ち入り禁止だよ~」
「ユウイチ叔父さん、忘れちゃった? エイコよ」
「エイコ? ああ、姉さんの娘か。大きくなったな~」
「今日は私の16歳の誕生日なの。それなのに、火星旅行がキャンセルされて。お金持ちのアイドルはチャーター便で行けちゃうし」
エイコは涙ぐむ。
ドピュ二郎もガンニョム課の係長室に入ってきた。
『大変だよ、ユウイチ』
「どうした?」
『殺人事件!』
「何!? またガンニョム課に持ってきたのか? 厄介だな」
『手が空いてるのはここだけだよ』
「ぐすっ……叔父さんは殺人事件まで担当してるの?」
「まあ、泣くな。……で、ドピュ二郎、誰が殺されたんだ?」
『専用機ラウンジでアイドルのコットン・ミサキが死体で見付かったよ』
「嘘!? さっきのアイドル……」
『ユウイチ、この子は?』
「姪のエイコだ」
「このポンコツ! さっき会ったばかりじゃない」
『ポンコツとはなんだ! 僕は1ヨタバイトの超高性能ロボットだぞ!』
「すまんな、エイコ。ドピュ二郎は的外れでカンシャク持ちなんだ」
「何よそれ。AIロボットでしょ?」
「それより、鑑識は? まさか、また俺にやらせるつもりか?」
『管理官は暇なガンニョム課のユウイチをご指名だよ。AIポリスより正確だって』
ユウイチはウイスキーを一口飲む。
「仕方ない、行くか」
「叔父さん、待って。私も行く」
「好きにしろ」
最初のコメントを投稿しよう!