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ドピュ二郎はコットン・ミサキの遺体の写真を撮り始める。本体にカメラが搭載されてる。
ユウイチはラウンジのバーカウンターに行く。老人のマスターがグラスを磨いていた。
「こんな時に随分とドライだな、マスター」
「シャッターを閉められてね。一旦は開けようとしたんだけど、人の力では無理だ。私は40年以上、スクエアで働いてる。殺人事件が起きても珍しい事じゃない。だから、通報も迅速に」
「確かにな。犯人を目撃したか?」
「バックヤードに居て見ていない。悲鳴も聞こえなかった。君、何課?」
「ガンニョム課だよ。IDを見せて」
マスターは胸に付けてる、パスカードを見せる。
「ドピュ二郎、来てくれ。マスターのIDを読み込んで」
『りょ~か~い。写真は撮り終えたよ』
ピッ。
「これでいいかい? ガンニョム課の君」
「ああ、協力ありがとう」
次にユウイチとドピュ二郎はラウンジの高級そうな椅子に座っている背広の男に近付く。眠ってるようだ。
エイコはガラス越しに広大な宇宙空間を見渡してる。
「高級ラウンジっていいな」
エイコはカメラのシャッターを切る。
「お兄さん、ちょっといい?」
「ぐがー……すぴー……」
『ユウイチ、この人は眠ってるようだね』
ユウイチは背広の男の口と鼻をつまみ、塞ぐ。
「…………ぐっ……! やめろ!」
「なんだ、起きてるじゃないか」
「瞑想してたんだ!」
「イビキの演技しながら?」
『怪しい』
「お兄さんのIDを見せて」
「ID!? それはちょっと……」
『怪しい。犯人は…………おじさん! あなたです!』
「待ってくれ、僕じゃない」
「じゃあ、IDを見せて」
「IDはなくした」
「あんた、スリか置き引きだろ」
「いっ、いや。違います」
「IDなしでラウンジに入っても、出立は出来ない」
『やっぱり、犯人だね』
「だから違うって」
「サイコパスか? 人を刺しておいて、くつろいでるってことは」
「信じてくれ! 僕はやってない! ラウンジ内に防犯カメラはないが、ほら、返り血も浴びてないだろ?」
男は背広を脱ぎシャツの袖口をユウイチに見せる。
「ラウンジに入るのは初めて?」
「ああ、勿論だ」
「じゃあ、なぜ、ラウンジ内に防犯カメラがないことを知ってる? プロの泥棒だな?」
「くっ…………最近、足を洗ったよ。だが、人は殺してない。信じてくれ」
「まあ、いいだろう。ボディーチェックを受けてもらう」
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