0人が本棚に入れています
本棚に追加
◯同・キッチン(夜)
テレビを見る麻衣。
キャスター「続いてもホール関連の」
テレビを消す麻衣。
◯オフィスビル・外観
ぽつりぽつりと出て来る人々。
オフィスの明かりはほとんど消えている中、
一室明るい部屋。
◯同・会議室(夜)
田崎と調査員①②が深刻な顔で話して
いる。
田崎「感染者は?」
調査員①「隔離しています。移送もすぐに可能です」
田崎「手配してくれ」
調査員①が調査員②に指示し、調査員
②が部屋を出て行く。
田崎「精密検査の結果は?」
調査員①「それが……」
何やら資料のようなものを広げる調査
員①。
そこには簡易的なメモ書きのような絵で、
人体の模式図が描かれている。
調査員①「胆嚢と腎臓の間に、見たことも無い臓器があるそうで」
田崎「どういうことだ?」
調査員①「検査の結果、体内でカリホルニウムの生成が可能な状態にあるとのことです」
頭を抱える田崎。
調査員①「数グラムで広島型原爆を凌ぐ核爆弾が製造可能です」
田崎「向こうの技術か?」
調査員①「国内外のテロ組織がホールから持ち帰った可能性もありますが、カリホルニウムは1グラムでも70億円を超える希少価値なので、非公式な団体が持ち帰れる技術ではないと」
田崎「向こうの住人がこっちに入ってるということか?」
調査員①「おそらく。感染者にホールの渡航歴はありませんが、何らかの手段によってこちらで感染させられたものかと」
30代ほどの男性の写真を手渡す調査員①。
調査員①「官邸は事実上の宣戦布告行為だと
。同盟各国も認識を共有しています」
力を無くしたように椅子に深く座り込
む田崎。
田崎「……いよいよか」
調査員①「……例の女性は?」
じっと考え込む田崎。
最初のコメントを投稿しよう!