第一話 脚本

13/16
前へ
/20ページ
次へ
◯同・キッチン(夜)   テレビを見る麻衣。 キャスター「続いてもホール関連の」   テレビを消す麻衣。 ◯オフィスビル・外観   ぽつりぽつりと出て来る人々。   オフィスの明かりはほとんど消えている中、   一室明るい部屋。 ◯同・会議室(夜)   田崎と調査員①②が深刻な顔で話して   いる。 田崎「感染者は?」 調査員①「隔離しています。移送もすぐに可能です」 田崎「手配してくれ」   調査員①が調査員②に指示し、調査員   ②が部屋を出て行く。 田崎「精密検査の結果は?」 調査員①「それが……」   何やら資料のようなものを広げる調査   員①。   そこには簡易的なメモ書きのような絵で、   人体の模式図が描かれている。 調査員①「胆嚢と腎臓の間に、見たことも無い臓器があるそうで」 田崎「どういうことだ?」 調査員①「検査の結果、体内でカリホルニウムの生成が可能な状態にあるとのことです」   頭を抱える田崎。 調査員①「数グラムで広島型原爆を凌ぐ核爆弾が製造可能です」 田崎「向こうの技術か?」 調査員①「国内外のテロ組織がホールから持ち帰った可能性もありますが、カリホルニウムは1グラムでも70億円を超える希少価値なので、非公式な団体が持ち帰れる技術ではないと」 田崎「向こうの住人がこっちに入ってるということか?」 調査員①「おそらく。感染者にホールの渡航歴はありませんが、何らかの手段によってこちらで感染させられたものかと」   30代ほどの男性の写真を手渡す調査員①。 調査員①「官邸は事実上の宣戦布告行為だと 。同盟各国も認識を共有しています」   力を無くしたように椅子に深く座り込   む田崎。 田崎「……いよいよか」 調査員①「……例の女性は?」   じっと考え込む田崎。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加