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帰投後、身体検査が終った所で司令室まで出頭せよとの命令が下った。
当然だ、命令無視、軍規違反、その上結局援軍が無ければやられていた。帰ってはこれたが結局命はないかもしれん。ベルンを巻き込んでしまった。奴だけでも・・・そんなことを考えてる内に部屋の前まで来てしまう。これからの事を考えると先ほど程度ではないが冷汗が出た。意を決して、扉をノックした。
「はいりたまえ」
扉の向こうから声がした。失礼します、と言い扉を開ける。
部屋にはいつもの人物、ウェルトー司令ともう一人、少佐の階級章を付けた金髪の女性がいた。
「ジャル・ペンデュラ少尉、到着しました」
「うむ、楽にしたまえ」
少し、思っていたのと違っていた、まず雰囲気。もっと重苦しい雰囲気でいかにもこれから処分されるといった感じだと思っていた。
次に人。本来なら書記が居て今回の処分について事細かく記録する人間がおらず。代わりにこの凛とした雰囲気の女性が司令の横に立っている。この人物はいったい・・・
「まずは任務ご苦労であった」
司令が口を開く
「今回、君はこの百年確認されていなかった共和国の騎体、“アグィナ・ガラン”と交戦し、見事生き残った。この事は称賛に値する。」
これまた予想外だった、いきなり褒められるとは、思ってもいなかった。
「しかし、君はその過程で命令違反、入内な軍規違反を犯した。」
ああ、やっぱりか、結局処罰されるわけだ。
なら奴だけでも罰を、刑を軽く・・・
「本来ならば軍法裁判で裁かれるべき事態であるが、君の今回の功績に対して。彼女から、“アクトレス中隊隊長フェルシア・ゲルト少佐からある申し出が有った。少佐。」
事態が予想外の方向に進んでいく、なにより。この女性があのトゥインクルの騎乗者だって?たしかに高い声の気がしたが疲労でよく分からなかった、この人が・・・
「ジャル少尉、君は先の戦闘が初の実戦だったな?」
「はい、その通りであります少佐殿」
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