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スペア未満
眠い。起きてから一時間以上経っているのに眠い。頭上の屋根に降り続ける雨のせいだ。ノイズのような雨音に鼓膜を打たれると、自然と瞼が重くなる。この大雨のせいか、バスの到着が遅れている。もう時刻表の時間を十分も過ぎている。でも苛々してもしかたない。雨なのだから。バスの運転手に遅延届をもらい忘れなければ問題ない。
あくびを噛み殺す気にもならなくて、わたしは思いきり口をあけた。口に手を当てることもしない。ここにいるのはわたしと、横に並んでいる親子連れだけだ。
「おもしろい顔~!」
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