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○同・教室
教室の中は生徒たちで賑わっている。
遥花、教室へと入ってくる。
ぶつかりそうになった男子生徒が遥花を怯えるように避け、教室を出ていく。
溜息をつき、窓際の席へと歩いていく遥花。
千里「おっはよー、いずみん!」
遥花の前の席に座る千里(せんり)が振り向きざまに声をかける。
遥花「朝からうるさ……」
千里「いずみんは元気なさすぎ」
遥花「朝から元気すぎる方がどうかしてる」
千里「あーあ、中学の時は可愛げあったのに」
遥花、席につき頬杖をつきながら窓の外を見る。
千里「ね、それよりさ!」
千里、スマホを遥花に突き出す。
千里「これ!」
遥花、スマホへと視線を向ける。
画面にはTvvitterのタイムライン。
タイムラインに『かなた@kanakana115』のユーザー名。
投稿には、『ねむいー、とか言ってられないなぁ』。
千里「室崎くんっぽいと思わない?」
遥花「……」
その時、教室の真ん中から大きな笑い声が起こり、そちらへと視線を向ける遥花。
男子生徒A「こいつ、調子乗ってるよなぁ」
男子生徒B「それな!」
女子生徒E「マジうけるー」
視線の先にたむろう男子生徒Aたち。
スマホを見ながら楽しそうに話す。
男子生徒Aたち以外のクラスメイト、様子を伺うように声を潜める。
遥花「(M)もう、こうなって何日目か……」
スマホを操作する男子生徒A。
男子生徒A「よし、送信! これでどうよ?」
女子生徒E「何て?」
千里「(囁き声で)いずみん」
千里、スマホを見つめる。
遥花、自分のスマホを手に取り、Tvvitterを開く。
かなたの投稿にコメントがつく。
『お前の席ねーからw』の文字。
遥花、渋い顔をする。
男子生徒B「うわ、直球ひでぇ!」
男子生徒A「これくらい言ってやらねぇと分かんないだろうからさ」
笑いあう男子生徒Aたち。
遥花、男子生徒Aたちを睨む。
千里「ちょ、ちょっといずみん。顔怖いよ?」
遥花「別に普通だけど」
教室に響くスマホの通知音。
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