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男子生徒Aの笑みが消える。
男子生徒A「は?」
千里「あ」
千里につられ、スマホを見る遥花。
先ほどのコメントに、かなたから返信。
『そっか。学校に行けてないんだし、しょうがないよね……』
男子生徒Bと女子生徒Eの笑みも消える。
男子生徒A「つまんね……」
男子生徒B「……だな」
チャイムが鳴り、教師がやってくる。
生徒たち静かに席へとつき始める。
千里「いいの?」
遥花「何で私が。関係ないでしょ」
千里「だって……」
教師「出欠取るぞー」
教師の声に千里、口を閉じる。
遥花、膝の上で握ったスマホの通知ランプに気付く。
机の陰で画面を確認する。
LIVIEのトーク画面、送り主は紡(つむぐ)。
遥花「!」
○室崎家・外観(夕)
住宅地の中に建つ二階建ての一軒家。
窓から中の明かりが漏れている。
表札には『室崎』の文字。
○同・玄関・外
遥花、玄関の横にあるインターホンへ指を伸ばす。
一瞬躊躇い、ボタンを押す。
ノイズが乗り、声が聞こえる。
紡『はい?』
遥花「和泉です、けど……」
紡『あぁ、はるちゃん。ちょっと待っててねー』
一拍置いて、玄関が開く。
家の中から顔を出すスーツ姿の紡。
紡「いらっしゃい」
○同・玄関・内
家へと入ってくる遥花。
紡「ん、上がって上がって」
緩い笑顔で招き入れる紡を見つめる遥花。
紡「……どうしたの?」
遥花「紡さん、痩せました?」
紡「(嬉しそうに)え、マジで?」
遥花「女子か」
紡「(笑う)まぁまぁ」
紡、先に家の奥へと歩いていく。
雑多に並ぶ靴たち。
遥花、脱いだ靴を揃え、家の中へと入っていく。
○同・リビング
リビングへと入ってくる遥花。
紡「俺も今帰ってきたところでさ」
紡、リビングの奥へと歩いていく。
遥花「へぇ……」
部屋を見回しながら紡の後ろを歩く遥花、表情が曇る。
紡、小さな仏壇の前に腰を下ろす。
仏壇には奏汰と両親の写真が並ぶ。
奏汰の写真を見つめる遥花。
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