第1話

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○回想・和泉家・リビング(夕)   テレビの前で固まる遥花。   テレビには『生存者不明』のテロップ。   山の中を走る高速道路。   カーブ地点のガードレールが破れ、その先の切り立った崖の下で救助活動をする   レスキュー隊員たちを上空から映している。 アナウンサー『高速道路を走っていたツアーバスがガードレールを突き破り転落。  今も救助活動が続いており……』   テレビから流れてくるアナウンサーの声。   立ち尽くす遥花。 ○回想・葬式会場(昼)   花で埋め尽くされた祭壇に並ぶ奏汰と奏汰の両親の遺影。   その前に置かれた三つの棺。   花を手に、棺を見下ろす遥花。   棺の中では奏汰が眠っている。   遥花、視線を逸らす。   逸らした先に、祭壇の前で表情のない紡がしゃんと立っている。 遥花「……」 ○戻って、室崎家・リビング(夕)   紡の隣に座り、手を合わせる遥花。   紡の様子を窺う遥花。   紡、その視線に気付き立ち上がる。 紡「そうそう、来てもらったのはさ」 遥花「奏汰のアカウントのこと、ですよね?」 紡「まぁ、そうだね」 遥花「疑ってます?」 紡「……」 遥花「私が……奏汰のアカウント動かしてるって」 紡「……そうだって言ったら?」 遥花「! こんなこと私がするわけ……!」 紡「(笑う)なーんてね。冗談冗談」 遥花「は?」 紡「あぁ、だからさっきまであんな表情固かったとか?」   紡、ニヤニヤしながら遥花を見る。 遥花「帰ります」 紡「あーごめんってば。あんまり真剣な顔で聞くからつい」 遥花「ついって……」 遥花「(M)こんなタイミングで連絡くるから気になって来てみたのに……」 紡「え、もしかして本気で怒ってる?」   遥花、むっとした表情のまま答える。 遥花「……疑ってないなら何で連絡したんですか?」 紡「久しぶりにはるちゃんに会いたかったし」 遥花「また冗談……」 紡「(笑う)睨まないでよー。今日は手伝ってほしくてさ」 遥花「手伝う……?」   スマホの通知音が響く。
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