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俺達は声のする方へ駆け寄る。
「誰かー! 誰かー! 助けてー! 痛いよー!」
俺は状況を把握する。男が両腕、両足、胴体を自転車を改造したような器具に拘束されており目隠しをしていた。両手の甲に太さ2センチメートル程のドリルが貫通している。
「今、助けてやる!」
「助けが来た!? 警察か!?」
「警察ではない。私達も被害者だ」
平川は目隠しのアイマスクを取る。
「手がー! 手がー! 漫画家なのに! 誰がこんな酷い事を!?」
「漫画家、……高間? 高間じゃないか?」
「平川、知り合いか?」
「中学生の時の同窓生だよ」
俺と平川は高間の拘束具を解く。ベルトだから他人の力なら簡単に解けた。
「平川の知り合いが2人……偶然じゃないよな?」
「平川? 痛いよー! もう漫画が描けないよー!」
「落ち着け!」
高間という男はかなり取り乱している。当たり前だ、漫画家の命でもある手を潰されたんだから。
「高間とかいう奴、ちゃんと手術すれば元通りだ、安心しろ。だから騒ぐな」
「ほっ、本当か!?」
「俺なんて目をやられたんだぞ。それに死ぬよりマシだ」
「誰か死んだのか!?」
「中学の同窓生の嵐田が死んでた」
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