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約束は、つづく
成人式も同窓会も終わった夜
明帆と二人ほろ酔い気分で帰っていた
「飲み会、凄かったね。みんな変わってなくて安心した。
でも、明帆の周り女子ばっかで
ホント、昔からモテモテだな」
「モテは、してるけどホントに好きになって欲しい人には、
振り向いてもらえないんだよなー」
「えーー誰々?好きな人だれよ?
私が知ってる人?」
明帆が立ち止まった
「なぁ夏海。卒業式の約束覚えてる」
「なんか約束したって?飲み過ぎたかなーボーとす。。」
空気が重くなった
明帆が夏海に近づき腕を引き寄せ強く抱き締めた
「夏海が俺に言った約束。
モデルとして成人式までに雑誌の表紙を飾ったら俺と付き合ってくれるって」
ホントは、覚えていた
ホントは、嬉しかった
明帆がいない2年は、心に穴が空いたようにさみしく他の男では、埋めることができなかった
他の男を知って初めてわかった
明帆程、素直に自分の事を見てくれて
女の子の好きなセリフを
言ってくれる人なんてそうそういないということを実感した
身近過ぎて普通すぎて気づかなかった
彼は、いつだって女の子が
きゅんきゅんする言葉を
投げ掛けてくれてたのだ
明帆の手が私の顔を明帆の顔へと押し上げた
今にも吸い込まれそうな明帆の瞳が見える
「約束守ったよ。夏海は俺の物だから」
そう言って彼は、私の返事を聞かずに
キスをしてきた
手を繋いで帰る道
「明帆、モデルの仕事楽しい?」
「どーなんだろ
夏海と付き合う為だけに頑張ってたからもーやめてもいいかなって思ってる」
「えーーー勿体ない!!
続けなよ!!」
「んーーけど、続けるとなると
夏海と会う時間が減るし
それにもー付き合えたから
目標もないしな」
「じゃーこうしよう」
「?」
「モデルからの俳優デビュー
主演ドラマが決まったら結婚してあげる」
「わかった」
私たちの約束は、まだまだ続きそうです
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