番犬ちゃん

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番犬ちゃん

思春期のお盛んな学生達の明帆の事での質問攻めと 「あなた、明帆のなんなのさ」攻めに堪え兼ねて 本人に愚痴ってしまった 「あんたなんなの!?」 明帆がびくついた 「!?・・・俺、夏海になんかした?」 明帆の思い当たらないという顔と動揺する姿を見て少し冷静さを取り戻した 「いや・・・何でもない」 一息ついて怒っている理由を説明した 「俺の知らないところでそんな事が・・・でも、何人か告白さらたな 多分、夏海と自称友達になった人たちだと思う」 明帆は、思い出した様に話しはじめた 「そーそーちょっと前まで俺にも似た様な事があったよ」 明帆によれば最初の方は、男女構わず友達を作る予定だったらしい だが、明帆に群がるみんなの質問は、夏海が受けた質問攻めと なんら変わらなかった 途中で女の子からの質問に嫌気がさし男友達を増やす様に 努力したそうだ 質問攻めはまだ、ましになったらしいが次は、男子友達から 女子に頼まれてと質問されるようになった 同性とゆうこともあり 「女子みたいな質問をするな!」と注意したらしいが 女子と話すきっかけが明帆の話題しかなかったと言われ 女子との接点が薄い男友達がかわいそうになり きつく言えなくなったそうだ そして、質問攻めから逃げる為に私のところにやってきた 彼にとっては、私は、身近な断る口実に最適だったのだ 「お昼一緒に食べない?」 「俺、夏海とメシ食うつもりなんだ」 「一緒に帰ろ」 「俺、夏海待つから晩くなるし先に帰って」 「明帆くん、休みの日、デートしよーよ」 「その日は、夏海の買い物に付き合う予定なんだ」 そりゃ明帆のなんなんだと言われても仕方がない 「なんで、私を断る理由にするのよ!!」 「だって、夏海なら負けないだろ?」 よく、おわかりで 負ける気がしない 「それに、嘘は、言ってない 俺は、夏海と一緒にいたいからそうしてるんだ 他の奴なんか興味ない」 明帆の話を聞くうちに冷静さを取り戻した いつも一緒にいるが改めてがよく見ると モデルの様な整った塩顔だ 身長も高く成長して骨ばんだ骨格と少し白めの肌に 青い血管が浮き出ているのは、男らしくも見えた 幼なじみには、わからない魅力が彼には備わってきたのだと感じた 明帆はモテるのだと実感した
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