約束の日

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約束の日

社会人生活を初めて自分の人生が180°変わった 最年少とゆう事もあって 社内では、可愛がられ 先輩からは、 「夏海ちゃん、かわいいんだからもっと女をエンジョイしなきゃ!」 と合コンに連れ出されもした 色んな男性と仲良くさせてもらい 明帆以外の男性を知る事ができた 恋愛になりそうな相手もいたが 最終的に物足りなくなり付き合うまではいたらなかった それなりに私生活も仕事も充実させていた頃にはがきが届いた 「成人式のお知らせ」だった 仕事と私生活で満たしていた私は、 自分の誕生日をサラッと流していた 「あっ。私、成人なんだ」 初めて大人ということを自覚した それからは、案外すんなり事が運んだ 普通ならばたばたするはずの準備も 母がすべて段取りよくセッティングしてくれた 母の成人式の時は、おばあちゃんが 段取が悪かったせいで 晴れ舞台を寝不足の不機嫌で式に出たらしい 娘にはそんな思いをさせまいと前に前に準備していたそうだ 着物は、おばあちゃんも母も着たお下がりの振袖を こういう時に明帆がいないのは、残念だった 私は、明帆にファッションチェックをしてもらうようにしていた 「明帆、これどぅ?」 「俺が好きな夏海」 「じゃーこれは?」 「俺が嫌いな夏海」 彼が好きといったものは、周りの評判もよかった 今日、成人式で会うはずだ 嫌いと言われたらどうしようか少し不安だった 地区での成人式なので小中高校までの友達が勢揃いだった 男子は、変わらないが女子は、バッチリメイクで化けていて認識するのに時間がかかった 幼少期に戻った様に騒いでいた そんな興奮する声とは、別に黄色い声援が聞こえた 「キャーあっきーって地元ここだったの!?知らなかった!!」 「芸能人に会えるなんて最&高!!」 私には、関係ないと思っていた 一緒にいた友人が言った 「あーあの芸能人って明帆でしょ?」 ふぁっっ!!?? 「大学中にスカウトされてモデルやってるらしいよ。 まさか、ここまで有名になるとはね」 「あっ!夏海!やっと見つけた!!」 黄色い声援の中から明帆の声が聞こえる けど、どこからかわからない 明帆が目の前に来てなぜ気付なかったのかわかった 格段にイケメンになっていた 寝癖だらけだった髪は、ワックスで整えられ だらしなく着ていた制服は、スーツに変わり 体のラインが見える程にスラッとしていた 私が知っている明帆じゃなかった
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