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チャーミィを事務所で飼育するようになったのは遡ること一年前。
閉店後にようやく店内の作業を終えて事務所に入った僕は、背中からるんるんとしたオーラを纏いながら、テーブルの上にある水槽を眺めているおっさんが目に入った。
『今日きたんだけどさ、なんかビビッときちゃった!』
『えっここで飼うんですか?しかもホワイトザリガニなんて今更なぜ?』
ホワイトザリガニは見た目の愛らしさに加え、アメリカザリガニ特有の丈夫さもあってビギナーにも薦めやすい。
なのでうちでは度々入荷していてわりとすぐに売れていく。
だから今までに何回も入荷してきたのに、どういうわけかそいつだけは店長に“ビビッときた”ようだ。
『みろ!このつぶらで黒々とした瞳!そして濁りのない真っ白な体。まさにんーと、あれだよ女の子が好きなやつ!
コリ○ックマちゃんだろ!』
『確かに…コリラッ○マっぽいと言えなくもない?ですね…』
…似ているだろうか。おっさんは少々お疲れのようだ。
『よし、こいつの名前はチャーミィにしよう。可愛いからチャーミィ!』
『…オスだったらどうするんですか。』
『コ○ラックマちゃんだって性別不明だろ!』
『まあ…そうですが…。』
そして僕の予感は見事に的中し、こいつはオスだった。
それ以来チャーミィはいかなる時もその愛らしさで店長の機嫌をとりながらこの事務所を見守ってきたのである。
※カラーザリガニは現在色々なカラーがあり、作者は普通のザリガニよりも更に赤みを増したスーパーレッドが好き。
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