ザリガニ男

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僅か縦15センチ横8センチ程しかないプラスチック製の虫籠。よく子供が捕まえた虫を入れる時に使う蓋付きの簡素なものである。頭から尾の先まで8センチあるこいつには少々狭いだろうが今はこれで十分だ。 「チャーミィ外傷もないみたいだし良かったですね。」 「発見が早かったから助かった。でもまだこれからだな。」 「そうですね。」 神妙な顔つきでじっとそれを見つめる店長。僕も不安を押し殺しながら水槽を見守った。 ちなみに目の前に居るこの生き物=チャーミィとは、店長が溺愛している白いアメリカザリガニである。 普通によくいる赤いザリガニと生物的な違いはほぼないが、このタイプは※カラーザリガニといって、特殊な色を固定化した人気の種類だ。 このチャーミィは全身真っ白な外殻に覆われたホワイトザリガニのオス。名前に似合わずオスである。
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