僕は君の番猫

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君が僕を拾った日。 今でも覚えてる? ぽかぽかお日様が出てる 普通の団地。電柱の前。 よくある「拾ってください」って 箱に書かれた文字。 そこには10匹を超える僕の兄弟。 ちょっと弱ってる子もいたっけな。 僕は心配で心配でたまんなかった。 そんな時ピンクの硬そうな紐がちらっと箱の中から 見えた。その子はそれをぴょんぴょんと飛んで いた。するとその子はふとこちらを見て、 目をキラキラさせながら走ってくるのが見えた。 「猫だ~!!」元気な女の子の声。 「おばあちゃん~猫が沢山いる~!!」 おばあちゃんはその女の子に駆け寄り びっくりしたように箱の中を覗き込む。 それから…僕はあまり記憶がない。 目が覚めたら温かい毛布に包まれていた。 そこには兄弟の姿はなく… すると目の前に出てきた巨人… いや。女の子が僕に顔を近づけ 「起きた!」 そう言うと僕を抱き上げた。 すると、後ろにいたおばあちゃんの 話が聞こえた… どうやらほかの元気な子は 里親に引き取られたらしい。 それから。 僕はここで今日から暮らすことになった。 女の子はおばあちゃん家に遊びに来る度 僕に興味津々で、ちょっかいだすし、 急に抱っこするし、僕もちょっと怒って 引っ掻いちゃった。ごめんね。痛かったよね。 でもね。近所に生えてた 草?猫じゃらし?みたいなので遊んでくれたの… あれは結構お気に入りだったよ。 それから君は僕のこと 「まっちゃん」って呼ぶようになったよね。 何でまっちゃん?って思ったけど 名前を貰えること自体が嬉しかった。 それからすぐ君は僕の前で くしゃみをするようになった。 どうやら猫アレルギーらしい。 僕はおばあちゃんの家にあまり 入れなくなった。 もちろんご飯は貰えたし、 おばあちゃんとも 外で沢山遊べたけど… 君はそれから僕とあまり遊べなくなったね。 でも君って本当に変な子。 おばあちゃんの目を盗んで 遊んでくれたりした。 まぁ、鼻水出るから後でばれて 怒られてたけど。 君はもう小学生。 前より背丈が少し伸び、 縄跳び(っていうのかな?)も 僕を拾ってくれた時より上手になってた。
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