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ふわっと笑う彼に私も挨拶をし返して、凭れていたガラスから体を慌てて起こすと、その人は自然と私の隣に並び、ポケットからタバコとライターを取り出して、カチっと火をつけた。
「こんな時間に女の子一人じゃ危ないよ?」
「家近いので、大丈夫です」
ふぅ、と煙を吐き出すと彼はおもむろにこちらを向いて「学校楽しい?」と聞いてきた。
「えっ」
「え?高校生だよね?」
だってそれ、と私の来ている制服に指を指す。ああ、そうですと私も質問に応えようとすると、応える前に今度はあ!っと彼が大きな声を出した。
「ごめん、俺めちゃくちゃ失礼なこと言った」
「へ?」
「ああー・・ごめん、そういうの好きな子もいるよね」
「え?え?」
「いつも制服だからてっきり現役だと思ってた」
「?・・・・・!!」
彼の言うその言葉が理解できたとき、自分の顔が沸騰したように急速に赤くなるのがわかり、これでもかというほど左右に首を大きく振った。
「いやいやいや!違います違います!!私現役です!!現役の高校生です!!」
思えば自分のその言葉のチョイスもどうかと思ったが、いち早く誤解を解きたくて全力で否定した。
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