プロローグ

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―公園― 「なぁ…そんなに泣くなって」 「…だって!! うぅ~ッ…!!(涙)」 どんなに(なだ)めても、トモカの涙は(あふ)れて止まらない……。 「仕方無いな~ほら…ヨシヨシ」 ユズはトモカの頭を撫でた。 「5年なんて…あっと言う間だって!!」 ユズ…柚原(ゆずはら) 祐希(ゆうき)は、高校卒業後、一流のパティシエを目指し、5年間フランスへ留学する事になった。 その事を、トモカ…半田(はんだ) 友香(ともか)が知ったのは…高校の卒業式 1日前の事だった。 「どうしてユズはいつもいつも!! 大事な事を私に内緒にするの!?」 「トモカを傷付けたく無かったんだよ…」 「…今スッゴく傷付いてるよッ!! 大体、ユズはフランス語話せるの!?」 「えーっと…あー、ハ…ハロー?アイアム ユズ!(キラッ☆)」 「それは、英語ッ!!!!」 トモカは涙を溜めたままぷくーっ!!と膨れ上がった。 「ぷぷっ…お前…タコみたいだぞ」 「だ…誰のせいよ~ッ!!////」 真っ赤になったトモカはユズをポカポカと叩いた。 「イテテ…ゴメン!!ゴメンって―――」 周りから見ると、まるで恋人の様な2人。 …だけど、ユズとトモカは付き合ってはいない。 ――「仲の良い友達」なのだ。
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