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命儚き乙女。
乙女は静寂のなかに佇んでいる。
儚い印象を与えるその面差しはどこか「花」に似ている。
青紫色の袿が乙女の美しさを際立たせる。
儚さをもった美しさ。
凛と咲き誇る杜若のようだ。と誰かがいった。
乙女は命儚き者だった。
神に選ばれた者だった。
空を見上げて乙女は嬉しそうに微笑んだ。
「美しき色の架け橋は、吾をどこへ連れていくのかしら」
乙女は儚く微笑んで青空へと消えていった。
一輪の「杜若」を残して。
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