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季節は、迷わず巡る。ああ、今年ももう来たのか、と思う。過去の記憶は殆ど無いけれど、この時期のことはちゃんと知っている。
だから少しだけ、寂しく思う。
満月の日が近づくにつれて、彼らの声は更に大きくなっていく。
風が吹けば歌う。
日が差し込めば歓声をあげる。
昼も夜も関係なく、ぺちゃくちゃと話し続ける。
そうして唐突に話を振られる。
「ねぇ、ユンさんもそう思うよね?」
「へ、ふぇ?」
「へふえ」
「へーふぇー!」
「ふふ、へふえ」
「ちょっ、やめろよ、もう」
「うふふ」
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