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 やがて、満月が夜空の中心に差し掛かる。   「さようなら」 「さようなら」  一人、また一人。ひらひら、はらはらと、舞いながら飛び立っていく。 「ユンさん、寂しい?」 「うん、まぁ、少し」  満月の日を境に、彼らの声はどんどん小さくなる。雨が降って、強い風が吹くと一気に減る。 「もうすぐにまた、次のあたし達が来るから。だから待ってて」 「うん」 「それじゃあ、さようなら」 「……さようなら」
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