零ノ我

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すると、『ざわざわ』とスーパーマーケットの方が騒がしい。 …ん?何だろう? 私は、スーパーマーケットに行ってみた。…スーパーマーケットには、警察や報道陣がたくさんいた。 「何かあったのかな?」 操恵がそう思っていると…… 「…あれ、操恵さん?」と聞いたことがある男性の声が聞こえた。 後ろを降り迎えると、そこにいたのは湊さんだった。 湊さんとは、マリアナ婆ちゃんの知り合いらしく。……というより、マリアナ婆ちゃんは関係なく拾ってしまうから分からない人なのだ。 湊さんはという、と昨日会ったばかりで分からない。 ……たぶん、湊さんもマリアナ婆ちゃんに拾われた一人なのだろう。 「嗚呼、湊さん。……ここで、お会いするなんて偶然ですね。」 「はい。…マリアナさんから買い物の手伝いを、と思いまして。」 そう言えば、マリアナ婆ちゃんは最近…………足腰が痛くなってきたって言うてたけ。 「そうなんですか。…代わりにお世話をしていただきありがとうございます。」 「あ、いえ。……マリアナさんには、お世話になっていますので。」 湊は、汗ながら手振りを見せた。 操恵は、「そうですか…。」と当たり前のように言う。 「あまり、驚かないですね。」 と、湊は驚いた顔を見せながら言いました。 「祖母は気になったものがあると拾ってしまうので…………、もう慣れてしまいました。」 _____そうだ、祖母は昔から気になったものがあると拾ってしまう人なんだ。 だから、マリアナ婆ちゃんは何時も一人なんだ。 ___すると湊が、「慣れというものは怖いですね……。」と小さく呟いた。 「え?」 「………そう言えば、スーパーマーケットでマリアナさんから頼まれたものを買おうと思ったですが、何やらあったみたいですね。」 湊は、操恵の驚いた返事を聞かずに話を変えた。
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