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マリエルは顔を赤くした。
自分で切り裂いたとは言え白い足が露になっている。スカートも服もボロボロだった。
「簡易戦闘服だけど、それよりはマシになると思うわ」
「……ありがとう……ございます」
作戦名【我らに水を】が開始された。
*
『作戦ポイントに到着。プリースト、出ろ』
チーフからの指令で、作戦ポイントで停車した『オアシス』の後部ハッチからプリーストが姿を現した。
僕とマリエルは、既に『オアシス』から出ていた。
防御専用アンドロイド型AIのプリーストは巨漢だ。身長二メートル。まるでプロレスラーだ。
「千のナイフ使い、いやブルールインか。散々だったようだな」
「まぁね。本体を失ったのは確かに痛いけどね」
「口先は大丈夫なようだな」
「何とかね」
「そちらのお嬢さんは?」
マリエルはだぶついた簡易戦闘服に身を包み、それでもはっきりとした口調で応じた。
「マリエルです。ブルールインの鞘の代わりです」
「……鞘って、そこまで言ってないよ?」
「がははは」
プリーストは豪快に笑った。巨漢らしい笑い方だ。
「まぁ、俺がいれば対地ミサイルだろうが何だろうが後ろには飛んで来ない。大船に乗った気でいる事だ」
「一発分だけね」
「そうだ。一発分だ」
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