第一話 少女との出会い

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『そこの二人……いえ三人かな。準備はいい?』  カオルから短距離指向性電波で、シグナルが入った。 「どれ、行くか」  プリーストがゆっくりと前進する。  周囲の空気が吸い込まれて行く。  プリーストの身体を構成する装甲の間隔が広がり、体格が二倍程に膨れ上がった。 「準備はいい? マリエル」 「ええ、多分」  この子は潔い。僕と気が合いそうだ。 『作戦スタート!』  プリーストが突進を開始した。  マリエルもその後ろに続いた。  *  村は廃虚と化していた。  動体反応も生体反応もなし。少なくとも生きている村人はいないだろう。  この村が戦略的に大した意味を持っていない事は、事前の分析で分かっていた。単に僕達をおびき出す餌でしかなかったのだ。  だが未完成とは言え『レッドナイト』が投入された。  何かあると思っていたんだけどな……。 「どうやら俺の出番はないな」  プリーストは溜め込んでいた空気を抜き元の姿に戻った。 「後は『オアシス』に来てもらって水を補給するだけだ」 「そうだね」  でも僕の中の『勘』が、まだ安心するなとアラートを発している。 「マリエル。水はどこ?」 「あそこの井戸」  マリエルが指差す。  そこには確かに井戸があった。     
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