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「よ、久しぶり。早いのさ乗るならもう少し早く連絡よこさいん。つーか、洋人さ何も言ってなかったのすか?」
圭ちゃんが良平兄ちゃんの前で首を傾げながら質問をする。
良平兄ちゃんは被っていた帽子を被りなおしながら苦笑いを浮かべる。
「家には帰るって電話したよ。あ、でも父さんが出たからなぁ。」
良平兄ちゃんの言葉に、俺と圭ちゃんは同時に頷いて納得した。
父ちゃんは典型的な浜の男といった感じで、無口で余り多くを語らない。
俺はケータイを持っていないから、父ちゃんが教えてくれなければ知るすべがなかった。
「ま、無事に着いたからいっちゃ。腹減ってんべ?何か食いさいくべ。」
圭ちゃんがズボンのポケットに手を入れながら先へと歩く。
俺は後を行くリュックを背負う良平兄ちゃんの横顔を眺める。
良平兄ちゃんに会うのは実に半年ぶりだった。
相変わらず、少し痩せているなと感じる。
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