洋人と圭介

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気が付けば夏休みが終わっていた。 この高校生活最後の夏休みは、なんだか濃い様に感じた。 幼馴染みたちがそれぞれの進路を歩む事を知った。 優等生の直は、地元の町役場へ。 足の速い有希子は、スポーツ推薦で都会の大学へ。 親友の拓未は、就職で都会へ。 そして。 途中で都会からやって来た奈波は、資格取得の為に都会の専門学校へ。 俺はというと、家業の養殖漁を継ぎ漁師へ。 それぞれがそれぞれの道へと進んで行く。 小中高と同じ学校に通い、同じ様に過ごして来たはずなのに全員がバラバラになってしまう。 少しずつ、でも確実に、余り実感のないまま大人へと近付いているんだとぼんやりと思う。 当たり前だと思っていた事も、当たり前ではなくなってしまう時がやってきてしまうのだろうか。 秋が来ているのを知らせるかの様に、頭上には空高くいわし雲が広がり、その間をスーッと飛行機雲が流れていた。
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