いわし雲、群青。

洋人と良平

平日の昼間だけど、店内はざわざわと賑わっていた。

俺は壁に貼られているメニュー表をキョロキョロと見回してしまう。

「洋人腹減ってる？定食1.5人前でいがすか？ま、足りなかったから追加すればいいしな。」

テーブルにある小さなメニュー表を手に取りながら圭ちゃんが聞いてくる。

それに俺は頷く。

圭ちゃんが手を挙げて店員さんを呼ぶと、元気に小走りにこちらへとやってきた。

「すみません、定食1.5人前を3人分と、生ビール中ジョッキで2つ。洋人は何飲むすか？」

「え、2人ともビール飲むの？」

俺は何を飲むのか聞かれた事より、良平兄ちゃんと圭ちゃんが昼間からビールを飲むことの方に驚いて反応してしまう。

「あん？だからおめさ免許持ってこいっつったんだべ。帰りの運転よろしくな。」

圭ちゃんがにやりとしたり顔で俺の顔を見返す。

隣では良平兄ちゃんがなだめるような笑顔で笑っていた。