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「じゃあ俺、ジンジャーエール。」
俺は恨めしそうな目で奥に並んで座る2人を見る。
程なくして頼んだ飲み物が運ばれて来る。
「じゃ、良平の帰省を記念してかんぱーい!」
圭ちゃんが勢いよくグラスを合わして、ゴクゴクと喉を鳴らしてビールを飲んでいく。
さっきコーヒーショップで都会の人の様に見えた圭ちゃんも、こうやって豪快に飲んでいる姿を見ていると港町の人間なんだなって感じる。
対照的にゆっくりとビールを飲む良平兄ちゃんはどこか都会の人の匂いがした。
俺はそんな2人を見ながらジンジャーエールをストローで啜る。
シュワシュワっと刺激的な炭酸の細かい泡と、ショウガのピリッとした辛さとほんのりとした甘さが喉を通り過ぎていく。
「あ、うまい。」
俺がぼそりと呟くと、別なテーブルへ定食を運んでいた店員さんがにっこりと微笑んだ。
「でしょ、うちのジンジャーエールは地元の生姜を使った自家製だから。」
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