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その言葉を聞いていた圭ちゃんがビールを飲むのをやめて俺の代わりに返事をする。
「もしかしてT市の五十嵐農場さんのすか?」
圭ちゃんの返事を聞いて、店員さんがより一層笑顔になって相槌をうつ。
「お、五十嵐農場さんをご存知なんですか?せっかくだから地元のいいもの使いたくて探してたどり着いたんですよ。お客様、何で知ってるんですか?」
「実は俺、こういう仕事してまして…。」
圭ちゃんは店員さんに自己紹介しながらいつの間にか自分の名刺を渡して話し込み始めた。
圭ちゃんは地元の産直市場で働いているので、仕事柄県内の農産物の事には詳しかった。
「へー、結構港町でも野菜も海の物も揃ってるんですね。うちは牛タンメインでやってるんですけど、夜には海の物も出したいなぁなんて考えてたんで。こうして出会えたのも何かの縁ですし、今度そちらに伺わせてもらいますね。やっぱりせっかくだから地元のものを活かしたいし。」
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