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それを更に心配そうな顔で良平兄ちゃんが一瞬見つめた後、すぐに笑顔で俺を見た。
「さ、熱いうちに食べよう。」
良平兄ちゃんの穏やかな声に促されて、俺は牛タンへと箸を伸ばす。
ちょうどいい大きさに切られた肉を、一口で頬張る。
「うま!」
口に入れた瞬間に思わず声が漏れてしまう。
それほどに、今まで食べたことのない衝撃が走る。
俺の声を聞いた目の前の2人は、顔を見合わせて小さく笑いながらそれぞれ肉が乗ってる皿へと箸を伸ばす。
「同じ県さ住んでんのに食った事ねぇってのも不思議だべな。」
圭ちゃんがさっきの険しい表情が嘘のように、いつものイケメンスマイルでご飯を掻き込んでいく。
「えー、そんなに美味しいんですかぁ?」
突然甲高い声が聞こえて来て、驚いて声のする方をみると、隣の席にいる女の人2人が身を乗り出してテーブルの奥にいる圭ちゃんの事を眺めていた。
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