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圭ちゃんは一瞬だけ彼女たちの方を見て目を見開いて驚いた様な顔をしたけれど、すぐに黙って肉の付け合わせの胡瓜の漬物に箸を伸ばして口に運んだ。
それを見た良平兄ちゃんが苦笑いを浮かべながら、隣の席へと声をかける。
「俺たち地元民ですけど、牛タンは美味しいと思ってますよ。ここのお店、小盛りとかもあるから、お姉さんたちにはちょうどいいんじゃないですか?俺たちもっと遠いところに帰らなきゃなんですぐ食べて帰るんで、お構いなく。」
あくまでも穏やかにだけど、さらりと言い放つ良平兄ちゃんに俺は感心したように、口をぽかーんと開けたまま眺めてしまう。
圭ちゃんは、少しだけ口元を緩めて笑みを浮かべつつ、ぽかーんとしている俺を見つめた。
「なんだ洋人。おめが食わねけ俺が食うぞ。」
そう言いながら3人分がまとめて盛られている牛タンの皿から2切れまとめて牛タンを掴んで口へと放り込んだ。
「2切れまとめてはずるいよ、圭ちゃん!」
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