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デッドエンド1 エレベーターの首なし死骸
あれ、おかしいな。いつもならすぐに姿を現し、荷物を受け取るのに。ブラウンはもう一度声をかけてみる……。
物音一つしない。
なにか手が離せないことでもあったのかもしれない、いやしかし、だったらなおさら一言声あっていいのに。
そんなことを思っていたら、目の前のエレベーターの扉が開いた。
入れということか?ブラウンは地下へと連結しているエレベーターにのりこむ。下のボタンを押した。
ここで読者諸君に説明。氷河期が到来して以来、玄関の先は廊下。ではなく、地下へと連結しているエレベーター(もしくは階段)となった。
要するに人類は地上から地下へとお引越ししたのである。
(ちなみに洞窟を利用したある種の町のようなものもある。今後、物語の舞台として登場するので心に留めておいてほしい)
ボタンを押した一秒後、エレベーターは素直に下降していった。
エレベーターが下降したすぐ、ブラウンの胸に後悔の念が湧き出た。
どうして警察に連絡しなかったのだろう。どうして外にでてスノーモービルにまたがり雪原をかけ、(博士の自宅兼実験施設は町からスノーモービルで一時間ほどの距離にある)町まで逃げなかったのか?
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