デッドエンド1 エレベーターの首なし死骸

1/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

デッドエンド1 エレベーターの首なし死骸

 あれ、おかしいな。いつもならすぐに姿を現し、荷物を受け取るのに。ブラウンはもう一度声をかけてみる……。  物音一つしない。  なにか手が離せないことでもあったのかもしれない、いやしかし、だったらなおさら一言声あっていいのに。  そんなことを思っていたら、目の前のエレベーターの扉が開いた。  入れということか?ブラウンは地下へと連結しているエレベーターにのりこむ。下のボタンを押した。  ここで読者諸君に説明。氷河期が到来して以来、玄関の先は廊下。ではなく、地下へと連結しているエレベーター(もしくは階段)となった。  要するに人類は地上から地下へとお引越ししたのである。  (ちなみに洞窟を利用したある種の町のようなものもある。今後、物語の舞台として登場するので心に留めておいてほしい)  ボタンを押した一秒後、エレベーターは素直に下降していった。  エレベーターが下降したすぐ、ブラウンの胸に後悔の念が湧き出た。  どうして警察に連絡しなかったのだろう。どうして外にでてスノーモービルにまたがり雪原をかけ、(博士の自宅兼実験施設は町からスノーモービルで一時間ほどの距離にある)町まで逃げなかったのか?     
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!