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「ね、昨日話した桜の話なんだけどさ」
「...珍しいな。姉ちゃんが昨日の話題を引っ張るなんて」
「え~、そうかなぁ?そんなことないと思うんだけど」
「いや、珍しいよ。いつもはすぐに他の話題になってたのに」
「それじゃあ、それだけアタシが桜に対して本気だってことで、ここはひとつ!」
本当に珍しい。それほどまでに姉を熱心にさせる要素が桜にはあるのだろうか。つられて私も桜に興味が湧いてきた。
「わかった。聞かせてよ、その話」
「おやおやぁ?アタシが珍しいってんならそっちも珍しいじゃない、自分からアタシの話に耳を傾けるなんて。よし!じゃあアタシが梶井基次郎先生から学びアタシなりに考察した桜の美しさについて語ろうではないか!」
そうして語る姉の姿は、いつにも増して美しく見えた。
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