アンドロイド・リリィ

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   リリィは『了解しました』とは言ったものの、最初は何をしたらいいのか分からず、とりあえずコーヒーを入れてくれた。 リリィ「コーヒーです。」 亮汰「ありがとう・・・ぷぅぅぅうううううーーー」 亮汰:不味かった。 リリィ「お気に召さなかったでしょか?」 亮汰「リリィ、コーヒーをもう一杯頂けるか?」 リリィ「かしこまりました」 リリィ「コーヒーです」 亮汰「どうも」 亮汰 次にリリィが入れてくれたコーヒーはさっきとは打って変わって、格段においしかった。なるほど・・・自分の意志で行動するのと、命令で行動するのとでは、何かしらの誤差が生じるのか。 リリィ「亮汰、朝食はどうしますか?」 亮汰「おっ、じゃあ適当によろしく頼む。」 【SE】電子レンジ 亮汰「何温めてるんだ?」 リリィ「卵です」 亮汰「待て待て待てー」 リリィ「亮汰、お風呂の用意ができました。」 亮汰「おっ、手馴れてきたなー」 リリィ「熱いうちにどうぞ」 亮汰「いや、食べ物じゃないんだからさ」 【SE】めっちゃ熱い音 亮汰「あっっつ!!!!!」 亮汰 と、まぁいろいろと失敗はあったけど、失敗を何度も積み重ねて、リリィも俺が命令しなくても自分の意志である程度は行動できるようになった。表情は変わらないけど、それでも少しずつ、この生活に慣れ始めてきた。 【SE】チャイム リリィ「すいません、今手が離せません。」 亮汰「いいよ、俺が出る。」 【SE】床を歩く音・ドアを開ける音 亮汰「はい、何でしょか?」 霧島「突然訪ねてしまって申し訳ない。私は霧島という者なんだが」 亮汰「はぁ」 霧島「単刀直入に言おう。お宅のアンドロイド、私に譲ってはくれませんかね?」 シーン3 霧島「お宅のアンドロイド、私に譲ってはくれませんかね?」 亮汰「えっ?」 霧島「あぁーそうだな。ここでいろいろ説明しても分からんだろ。ちょっと中に入ってもいいかい?」 亮汰「はあ・・・」 【SE】・ドアを閉める音、靴を脱ぐ音、床を歩く音 霧島「お邪魔しますねー」 リリィ「亮汰、来客ですか?」 亮汰「あぁ、霧島さんコーヒーでいいですか?」 霧島「構わないよ。気使わせちゃって申し訳ないねぇ」 亮汰「リリィ、コーヒーをお願いできる?」 リリィ「了解しました。」 亮汰「それで、霧島さん。さっきの話のことなんですけど」 霧島「そんなことよりさ、」 亮汰「はい?」
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