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第1話 夏への扉
8月30日
この地球の上に僕の大切な人がいる。
僕はもう一度、たとえ最後でも良いから会いたいと思った。
リュックに飲料水の入ったペットボトル海水の入った水筒と昨夜売店で購入したカレーパンといくつかの駄菓子を詰めた。
先にリュックに入っていたドローブはキュイッ!と歯を見せて不機嫌だと主張したが少し経つとリュックの狭さを気に入ったみたいだった。
準備が済みドアを開け外に出るその前に
もう誰もとっくに居ない部屋に向けて「行ってきます」と言った。
外は雪で埋まって凍えるような寒さだったけど恐怖はどこにもなかった。
僕は雪の上を少しずつ歩き出した。
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