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それからというもの、市場へいくたびに荷車を探してみたが、どれも小型なものばかりで、GBを乗せることができそうな、条件にみあった荷車は見つからなかった。 もちろん運搬車のレンタルも考えたが、俺のような身分では貸してはくれないだろうし、どのみち金もない。 テヒタじいさんに相談しようかとも考えたが、要らぬ詮索をされても面倒なので、結局見つからないまま時が過ぎた。 そしていよいよ俺は、安価な部品をよせ集め、簡単な荷車を自作しようと決心した。来月分の完全食が配給されたことも決め手の一つになった。 翌日、GBが耕している間に、荷車の設計図を完成させた。難しい構造ではないからすぐにできあがった。 あの手紙、つまり【召集令状】が届いてから、ひと月をすぎようとしていた。 ふだん通りにGBは、充電をしてから開墾へでかけた。俺は、GBに変化をさとられないように、いつも通りの行動パターンで見送った。そして 「さて、俺もいくか」 すべての完全食を詰めこんだリュックを背負い、設計図を持ち、荷車を造るための部品を買い求めに部屋を出た。 「おーいGB!でかけるからよろしくなー!」 と、ひと声かけた。するとGBは手を止め、上体を起こし、こちらを見た。だからすぐに 「作業してろよー!」 と命じ、市場へ向かった。
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