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都市部の超高層ビル群を遠巻きに望むようにして、市場は渦を巻きながらひろがっている。GBが旧式のおかげで、ここにくれば交換部品や、メンテナンスキットを全部揃えることができる。むろん正規品かどうかは抜きにして。 メインストリートから脇へ入ったところに、俺の目当ての店はある。そこの店主は、元はスナックだった店舗を、戦後のゴタゴタに紛れてなんとなく手に入れ、趣味で収集していた、各種のアンドロイドのパーツや部品の保管場所にしてしまった。いまではその趣味が高じて、そこをパーツ屋としてきりもりし、一方では、闇で取り引きしているのである。 「オッス!テヒタじいさん!」 テヒタじいさんはこの店の店主で70すぎのじいさんだ。偶然にもGBシリーズを生産していた工場で、技術者として働いていたことがあり、GBのことについてはぜんぶ教わった。 「よう!久しぶりだな!相変わらず青っちろい顔してるが大丈夫か!?」 会うたびにこんな感じである。 「ああ、変わらんよ!じいさんも変わんねえなあ」 「おう!相変わらずさ!さっさと病にでもなって、みんなから心配されてえ年頃だがな!で、今日はなんだ?GBか?」 「ああ、洗浄剤と潤滑油がほしくてさ」 「そうかそうか、ちょっと待ってろ!」 と、テヒタじいさんは店の奥へと入っていった。 他に何かめぼしい物がないかと、店内を見回していると、以前来たときよりも、武器類が増えているような気がした。どれも古く、錆びや破損がひどく、使えそうなものは一つもなかった。 それにしてもいろいろある。闇で取り引きをすることで、国内外問わず、ありとあらゆるメーカーの、珍しいパーツや純正部品がところ狭しと積まれている。 「あったあった!」 テヒタじいさんが、洗浄剤と潤滑油を抱えて戻ってきた。 「俺のところにもストックがなくなっててな、見つけるのに一苦労したぞ、また手に入れておかにゃあならんなあ」 そういって、カウンターに置いた。
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