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マウハリ王国は白人優越を唱える光の教団の教主の命により、光の教諸国から出兵した聖戦士団の攻撃により滅びた。
今では大森林の周辺3カ国の少数民族として細々と生きながらえている。
かつてはマウハリ人虐殺も横行したらしいが、今日ではそれぞれの国の国民としてそれなりに生きている。
このリンデン王国でもマウハリ人は全人口の5%いると言われる。
リンデン王国ではマウハリ人は公式には正規の国民のはずだが、いまだ差別は激しい。
だからベンヤミン・アクスとしては、アリシア・アルバと話しているのを他の学生に見られるのは好ましくない。
だが同じようにしょぼい魔法しか使えなくてもアリシア・アルバは4属性の魔法が使える。
ベンヤミン・アクスは2属性。
魔法学校のもう一つの基準である魔法能力ではベンヤミン・アクスはアリシア・アルバの半分しか評価されない。
そんな所もベンヤミン・アクスの劣等感をくすぐる。
もっともこの魔法学校においてベンヤミン・アクスの劣等感をくすぐらないない生徒はほとんどいない。
「こんないい天気の日に壁の花で人の魔法を見ているだけなんて時間の無駄だと思わない?ベンヤミン。」
ベンヤミン・アクスはビックリしてアリシア・アルバを見た。
一言も喋ったことがないのにいきなりファーストネームで呼ばれたから驚いたわけではない。
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