誘惑

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「養父が私を引き取ったのは、私に魔法の才能があると思ったから。 でもこのままだとまた家族を失うかも。」 ベンヤミンはアリシアに深く同情した。 吸い込まれそうな黒い瞳に見つめられて、少し顔が赤くなったようだ。 「アリシア、何があっても僕は君の味方でいたいと思うよ。」 と声をかけた。 それからベンヤミンとアリシアはどんどん親しくなった。 ベンヤミンは自分はアリシアに恋をしてるとはっきり自覚した。 壁の花の間だけでも、一緒にいて楽しかった。 アリシアに見つめられているとどきどきした。 アリシアは思った。 ベンヤミンについてはうまく行きそうだ。 だが急ぎすぎるのは禁物。 徐々に誘導して行こう。 まず魔法色彩理論に対する疑問から始めよう。 相変わらず実習で壁の花になってるベンヤミンとアリシア。 アリシアは何気ない風に話始めた。 「私思うんだけど、魔法色彩理論には不十分な所があるんじゃない?」 「何故そう思うんだい。」 「ベンヤミンも知ってる通り、私はほんの少しだけど、四属性全部使えるよね。」 「そうだね。」 「でもそれっておかしくない? 魔法色彩理論によると、四属性全部使えるのって純白の魔力持ってる場合だけだよね。 純白の魔力持ってるのに明度0っておかしくない?     
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