魔法色彩理論

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空き教室に入ると椅子を反転させて向かい合わせに座った。 「で、話したい事って何だ。アリシア・アルバ。」 「先生はご存知なんでしょう? 私が魔力測定で0が出たのは初めてじゃないって。」 「ああ。それで?」 「これって普通なんですか?魔力測定で0と言うのは。」 「まあある意味普通だな。 一般的に言って魔力を持たないのが普通だ。」 「そんな事聞いてるんじゃないですよ。」 「ああ、分かってる。魔法学校に入学を許された者で魔力測定で0だったものは君だけだ。」 「私、ここに来ることを希望して許可されたわけじゃないんですよ。 来ることを強制されたんですが。」 「誤解してもらっては困るな。 強制したんじゃなくて、来るようアドバイスしただけだよ。 軍は非戦闘時に民間人に強制なんかしない。」 「じゃあ誤解で良いですが、言いたいことはそんなことじゃありません。 先生は魔力判定が0なのに、魔法学校に来るよう勧められる事をどう思ってるんです?」 「そりゃ、軍は君が魔法使いだと思ってる、いや君が魔法使いだと言う証拠を持ってると思ってるからさ。」 「でも魔法色彩理論と合いませんね。」 「それが興味深い点さ。軍が間違ってるのか、測定が間違ってるのか……」 「魔法色彩理論が間違ってるのか。」     
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