友情

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 ずっとではないが、家にいるとふいにあの甲高い笑い声が聞こえてくる。そのせいで少しノイローゼ気味になり、者に当たるように部屋を散らかしたら声はそれきり聞こえなくなった。でも片づけようと何か手に取るとまた聞こえる。だから、部屋は荒らした時のまま放置しているのだと友達は語った。 「今、新しい物件を探してる最中なんだ。でも手頃な部屋がなかなか見つからないし、引っ越しにかかる費用を考えると、マンスリー借りたりネカフェ暮らしをする金もないから、この有り様で我慢してる」  うんざり顔でそう友達が口にする。その姿にたまらなく同情心が湧いた。  さっき一度聞いただけでも充分不気味だったのに、アレがしょっちゅう聞こえてくるなんて、ノイローゼにもなりかけるだろう。 「新しい部屋が見つかるまで、ウチに来るか?」 「マジでいいのか?! 助かる!!」  困った時こそ手を貸す、それが友達ってもんだ。  けど、一つだけ不安がある。あの声が本当にこの部屋原因ならいいけれど、もし友達に原因があって、部屋を変えても聞こえてきたりしたら…その時俺は、コイツを泊め続けてやれるかな? うーーん。さすがにちょっと自信がない。 友情…完
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