人格統合のパラドックス

5/10
前へ
/55ページ
次へ
人生の選択(せんたく)が人格をつくると言う事か。 ソウヤとアスカ(俺)では、 (すで)に人格に(ちが)いが出来ているのかも知れない。 「所で聞かせてくれるか。  タイムパラドックスをどう解決(かいけつ)したのか?」 ソウヤは答えた。 「つまり過去を変えずに事実だけを変える。  過去に起こった事実を変えずにイリアを入れ換えるんだ」 それはつまりは()(にえ)を必要とするんじゃないか? 「まさか別次元のもう1人のイリアを使うのか!?」 (たし)かに別の平行世界のイリアを連れてくるか、 同じクローンのアンドロイドのイリアを使えば可能ではあるが・・・ そのイリアもイリアなのだ。 ただ記憶と経験が違うだけのイリアなのである。 俺は悪魔に魂を売ったのか!? それとも自分の記憶の無いイリアは、 人権を考慮(こうりょ)するに(あたい)しないとでも言うのか? 「ダミーのイリアを使う。  実はまだ起動してないスペアーのイリアを見つけた 。  生命活動はしているが、まだこの世界に生まれ生きた記憶はない。  そのイリアに自律神経を壊すウイルスを忍ばせる。  時間がくれば生命活動を停止するように。  実は死んだイリアもこのコンピューターウイルスに感染していた。  イリアがナビに人格と記憶を移した様に、  ナビのほうも致死性(ちしせい)のウイルスをイリアに  送っていたんだ」 俺はソウヤに質問した。 「それで仮に過去でイリアを入れ換えれたとして、  その彼女も既に死のウイルスに感染(かんせん)しているんじゃないのか?」 そうイリアを交換するには、 彼女が気を失った後でなければいけない。 そうでなければイリアの行動が変わってしまう。 過去を改変(かいへん)してしまうのだ。 それはイリアが殺人ウイルスに犯された後を指す。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加