人格統合のパラドックス

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俺はそれで顔を(ぬぐ)った。 スッキリした俺の顔をファナは、 まじまじと見つめていた。 「まだ何か付いている?」 「あっいえ、そのイメージがその、 今のアスカさんも素敵だなって。 あっいや変な意味じゃないですよ」 ファナが困った(よう)視線(しせん)()らせた。 その姿にガフトに()らわれ裸で(もだ)えるファナの姿を想起(そうき)して顔が赤くなる。 それはファナにとっては忘れたい過去のはずだ。 俺は急いでそれを頭から振り払おうとした。 いや真剣に努力はした、したんだ本当に。 がっ赤くなったファナの姿が、 裸でよがり恥ずかしがる姿に変わっていく。 俺の妄想力はその意思に反してファナを(はずか)しめ、 淫靡(いんび)な姿で視姦(しかん)するのだった。 (よこしま)なその血潮(ちしお)はみるみる下半身に逆流して溜まっていった。 気まずくうつむいた彼女の視線の先にその欲情(よくじょう)は、テントを()っていた。 彼女の顔はみるみる桜色にほのづき染まっていた。 チラリとこちらを見上げた彼女と目があう。 彼女は慌てて目線を反らしあらぬ方向を見た。 お腹で指を組む彼女はまるで、貞操(ていそう)を守ろうと している様だった。 はっはっは・・・ 俺は苦笑いを浮かべ苦笑した。 話題を変えなければ・・・ 「あのさ。 シャワーを浴びたいんだけど、その シャワールームってあるかな?」 それを聞いた彼女は、まるで俺が一緒に入ろうと 提案(ていあん)した様に身構え顔を赤らめた。 「えっそんな・・・私、」 キャンと吠える子犬の様に彼女はそう漏らした後、 はっと我にかえってますます頬を赤らめた。
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