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【あらすじ】
2018年に第三次世界大戦が勃発したもしもの世界。
2030年、人々は過ちを反省し、全世界で平和条約が結ばれ、二度と戦争が起きることのない世界へと変わることを宣言した。
そして時は流れ、21世紀末。
科学・医療技術の発展により人類の寿命は100歳を越え、半永久的な若さを手に入れることになる。
近代化された都市で人々は平穏に暮らしていたのだが、突如として現れた「エンリル」と呼ばれる組織によって世界中で多くの人間が殺戮されていった。
「エンリル」のボス「F」の目的、それは悪しきものの排除。
自らを「神と共に歩んだ正しい者たち」とし、その他の邪魔な人間を全て消し去る「大洪水」を起こすことだった…
この謎の組織によってもたらされた「大洪水」
それは、人を死に至らしめるウイルスである。
大洪水ウイルスに侵された者は肺に水が溜まり、例え砂漠のような場所にいても溺死してしまう。
政府はこのウイルスに対する抗体を作るべく本土から離れた孤島に、有能な研究員たちを集めた緊急対策本部「アーク」を立ち上げた。
主人公ディックはこの「アーク」に所属する若き研究員である。
彼は大洪水ウイルスによって唯一の妹アイリスを亡くしていた。
研究チームの仲間、サラ、ノア、フランと共に研究室に籠る毎日。
そんな中、彼に政府から通信が入る。――同じことの繰り返し、前に進まない日々。
政府からの連絡は彼を激昂させるには充分だった。
周りの仲間たちになだめられるが、彼は一人になるため外に出て行ってしまう。
ディックを気にかけていたノアは彼の後を追いかけ、そこで妹が亡くなった話を聴くことになる。
このノアという男(便宜上の性別)は「エンリル」のスパイである。
…であるが、ディックやほかの研究員との関わりの中で自分の存在を疑問に思い始めていた。自分のやろうとしていることは本当に正しいのか、「生まれたばかり」である彼にはわからない。
彼を生み出したこと、これが「エンリル」のボス「F」の最大の功績であり、最大の過ちだった……
ノアの選択で、物語は大きく動いていくことになる――
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