2/5
前へ
/17ページ
次へ
 いや、やろう!  洗濯機の上の棚から洗剤を探し、手当り次第に洗濯物をドラムに詰め込んだ。下着がどうとか言っている場合じゃない。量が分からないから、キャップのふちギリギリまで注いでスイッチを押した。所要時間一時間。 「リョウくん、お菓子食べー」  暢気な祖母の声に救われた。もはや祖母を介護しているようなものだ。報酬がお菓子とは小学生並みだな。  介護…?介護、家庭科、そういえば家庭科で習った家事って何があったっけ。料理洗濯…「掃除!」 「お菓子食べんのんか?」 「それより、掃除機どこや?」 「そうやなあ」  これは掃除をしていなくて忘れているパターンだ。押し入れを探すが、家と勝手が違いすぎて分からない。トイレの隣にも小さな扉があったな。開けてみるがかなり固い。 「あ」  救世主ルンバ、最新の丸みを帯びた三角形・CM型! 「さすが奈月」  思わずつぶやいて、奈月の顔が浮かぶ。今頃どこにおんねや。  僕はルンバを走らせて、窓を開けゴミをまとめて捨て忙しく動いた。クッ、そろそろ甘い物が欲しい。ルンバを片付けてちゃぶ台に座ろうとして…洗濯機が脱水完了を告げた。そうか干さなきゃいけないのか。そろそろ疲れた。 「お菓子食べ」     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加