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 過度に自分を褒めればコナンばりに推理している間も、僕はどこかで奈月の影を追っていた。僕は洗濯物と謎のブレンドティーを放置して、奈月の部屋に駆け上がった。真っ先に目についたのは、机の上の写真立てだ。ルイボスティーのラベルと同じマスキングテープで縁を飾ってある。写っているのは、付き合い出した頃の僕と奈月だ。  ここに溜まりに来る訳が分かった。ただ奈月の不在を埋めたかっただけだ。彼女の介護だと勝手に理由をつけて逃げ場にしていた。僕が逃げていちゃダメだ。 「奈月のおばあちゃん。奈月のことなんやけど」  大阪弁に染まっているがしょうがない。覚悟はできた。 「ああ、今学校におるやろう」  やはり忘れている。これから傷つける、ごめんな。 「それがな、おらんのや。よう思い出してみ、最近奈月と何を喋った?奈月がどんな飯作った?」  目が据わっていない。 「奈月、失踪してん」 「失踪」  彼女はそれだけつぶやいた。やはり思い当たる節があったようだ。 「何か知らんか?行き先とか、怪しい所とか。分からんかったら警察行って探してもらったほうがええ」  オロオロと辺りを見回していた目が、警察というワードを聞いた瞬間にピタリと止まった。 「警察は行かん」
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