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「ホンマに思って言うてるか?」 「は?」  図星を突かれた。…そっくりそのままお返ししましょうか。 「ホンマは稲田のおるトコ知っとるんちゃうか」 「…は?」  雲行きが怪しい。 「今んとこ一番怪しいのは最後の目撃者のお前や。当たり前やろ」  勝手に決めつけんなドアホ。お前は警察でも探偵でもないくせに。  証拠でも突きつけてやろうかと思ったが、生憎そのような物は手元になかった。口惜しい。 「何が当たり前や」  この兄弟と話していると、母の大阪弁が移ってしまったようで自分が気持ち悪い。 「お前、いろいろ怪しいで」 「どこが」  鼻で笑うのが精一杯だった。  それから噂は瞬く間に広がり、僕には誰も話しかけに来なくなった。白い目をいつも背後に感じる。教師たちもどこか遠慮がある。いつにも増して、学校にいる時間が長く感じられた。  もうたくさんだ。
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