流星の子供達へ

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 少しの間扉の前で休むと、二階に降りて反対側の階段へと今度はゆっくり歩いて行きました。 「あら、里見さん今日はいつもより遅かったのね。どうしたんだろうって話してた所だったのよ」 「お母さんがお昼ご飯作るの遅いんだもん。今日当番日だから早めに作ってねって一週間も前から言ってたのに、何してたのかと思って聞いたら下で近所のおばさんとお喋りしてたんだって信じられないよ」 「ふふふ里見さんだって授業始まる直前までお喋りしてることあるでしょう。お母さんもそれと同じよ」 「そうかなぁ? そうだ山岡先生どうしてこっちの木の扉使わないの? 近道しようと思ったら入れないんだもん。かえって遠回りしちゃった」 「さっきドア蹴ったの里だったの」 「ありゃ聞こえた? 軽くしか蹴ってないんだけどなぁ」 「夏休み中で人が少ないから結構大きな音したわよ今度から蹴らないようにね。そのドアもう古くってね、危ないから固定されたのよ」 「階段に面しててこっち使う方が楽なのにね~」 「ねぇ~桐(きり)ちゃんもそう思うでしょ。私あっちのアルミのドアよりこっちの木の扉の方が好きだなぁ図書室ってイメージとぴったりマッチしてて前からこっちの扉使って図書室出入りしてみたかったのに、がっかりだよ」     
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